このたび当社は、2025年1月24日より放送がスタートしたTBS金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』に美術協力という形で参加させていただきました。
この作品は、現在と過去に起きた2つの事件を軸に、親子の「愛」と「運命」が交錯する、ヒューマンクライムサスペンスとして大きな話題を集めました。
ドラマをご覧になった方は、きっとあの冒頭の衝撃的なシーンを覚えていらっしゃることでしょう。
その印象的な場面で使われたのが、まさにタハラが製作した螺旋階段です。
ドラマの緊張感や雰囲気を支える一部として、私たちの階段がその役割を果たせたことは大きな喜びでした。
今回の螺旋階段は、従来のような単一の曲率(R)で構成されたものではなく、3種類の異なる平面R寸法を組み合わせた複合螺旋形状となっております。
通常、単一Rであれば、踏み面や蹴上寸法、手すりの高さを均一に保ちやすく、美しさと機能性を両立できます。
しかし複数のRを組み合わせる設計となると、踏み面や手すり角度に連続性を持たせるのが非常に難しくなります。
そこで当社では、これまで培ってきた設計・製造のノウハウを活かし、独自の手法で踏み面寸法を調整。
複雑な形状でも違和感のない自然な螺旋ラインを描くことに成功しました。
階段本体には、当社オリジナル名称「ロイヤルオーク」という集成材(ゴムの木)を使用しました。
この木材は、白く美しい色合いと塗装後の安定した発色が特徴で、希望の色味に合わせやすい点が評価されています。
また、在庫サイズのバリエーションが豊富なため、短納期対応が可能なのも大きなメリットです。
撮影期間中には、実際に美術セットに設置された階段を見学させていただく機会にも恵まれました。撮影現場では、俳優の方々がタハラの階段の前で演技をされている姿を目の当たりにし、製作に関わった社員一同、感動を覚えました。
さらに、撮影終了後にはじっくりとセットを見学。螺旋階段の隣には美しいステンドグラスがあり、そこから差し込む光が階段を柔らかく照らしていて、まるで一枚の絵画のような空間が広がっていました。
セットの細部には、年月を経た建物を表現するための壁のシミや埃、クモの巣など、細かな演出が施されており、空間づくりの奥深さにも感動しました。
今回、TBS様の作品に関わらせていただいたことは、私たちにとって非常に貴重な経験となりました。
階段は、ただの「移動のための装置」ではなく、空間の印象を大きく左右する重要な要素です。
これからも、皆さまの理想とする空間づくりを支えるパートナーとして、技術を磨き、挑戦し続けてまいります。